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その言葉に満足したらしく、やっと手を放してくれたルミナ。
痕が残るぐらい赤くなってるよ……。
「フフッ。可愛いな、キミは」
手をさする僕を見て、ルミナはそんなことを言ってきた。
ゾクッとした何かが背筋を駆け抜ける。
――ヤバい! この人ヤバい!
危険を感じ取って焦る僕。
そんな時、救いの声が。
「ルミナばっかりズルい! 私達も話したいのに」
ルミナの後ろから声を掛けたのは、さっき僕に質問してきた内の1人。
「あぁ、すまない。では訊きたいことがある者は一列に並ぶというのはどうだろう? それならクラッドも1人1人の質問に答えることができる」
――えっ!? 僕の意志は?
そう口に出そうとした時には手遅れ。
すでに数人の列ができていた。
あのままルミナと話し続けるのも何か危険だったが、質問されるのも困る。
しかし時間は待ってくれず、何の考えもないまま最初の質問が始まった。
「もう一度訊くけど、どこから来たの?」
あまり返答に時間を掛けると怪しまれる。
僕は咄嗟に頭に浮かんだ場所を答えた。
「シルメシアだよ」
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