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◆ ◆ ◆ ◆
――やっと……終わった……。
無事みんなの質問に答えた僕は机に突っ伏していた。
人数的にはクラスの半分ぐらいだったけど、咄嗟に辻褄の合う返答をし続けていたことで頭が痛い。
レナとレインは助けてくれないし、途中リディア先生が来たにもかかわらず質問は途切れず、先生も何も言わなかった。
今の時間は自習。多少周りから視線を感じるのは気にしないとして、各々が友人達との会話に花を咲かせている。
「お疲れ。災難だったね」
ふと、横から掛かるレインの声。
その方向に顔を向けると、苦笑を浮かべるレインと目が合った。
僕は思わず恨めしい目でレインを睨む。
「ゴメンゴメン。でもみんなもクラッドのことが知りたいんだよ。悪気はないんだ」
「それはわかってるんだけど……。僕が言ったことには嘘も混じってるわけだし」
そのことに罪悪感が沸いてくるんだよね。
僕に記憶がないと知ってるのはレナとレイン……そして多分、ルミナだけだし。
「仕方ないよ。記憶がないなんて言ったらもっと騒がしくなりそうだし」
――それは言えてるかも。
「クラッド君」
そう思っていると、数人の男子が僕の所にやってきた。
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