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よく見れば、その内の1人は僕を遊びに誘ってくれた人だ。
「キミは確かさっきの……」
思わず呟くと、その子は嬉しそうに白い歯を見せる。
「覚えててくれたんだ。丁度いい。さっきの話なんだけど、今日の放課後にでも遊びに行かないかい?」
――今日か……。
「ゴメン。まだいろいろと落ち着いてないんだ」
「そっか。なら一段落したらまた遊ぼう」
彼は残念そうな表情を見せるも、すぐに笑ってそう言ってくれた。
リディア先生の言った通り、このクラスはいい人達ばかりだな。
男子達にお礼と謝罪をして後ろ姿を見送り、レインの方に身体を向ける。
その時、
「人気者だな。転入生君」
声が聞こえてきたのは一段上の席。
一瞬、またルミナか?とも思ったけど、どうやら違ったみたいだ。
「げっ……クロス」
僕はクロスと呼ばれた人物を見る。
青み掛かった長い黒髪をうなじで結んでいて、切れ長な黒い瞳に前髪が少し掛かっている。
美形……とでも言えばいいのか、雑誌の見開きでも飾っていそうなほどだ。
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