目覚めと出会い

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そしてパンを頬張り、スープを喉に流し込んでいると、誰かが階段を上ってくる音が耳に届いた。 足音からして2人。 恐らくレインと、呼んできた人だろう。 待つこと数秒。まずはレインが姿を現す。 「お待たせ」 そして、 「おっはよー!」 続いて姿を現したのは、やけにテンションの高い女の子だった。 レインと同じような茶色い髪は、左右で結んであって肩まで伸びている。 170cm程のレインと比べると、頭1つ分小さい。 加えて、その小さな身体は凹凸が少な―― 「何か失礼なこと考えてない?」 ……とにかく一言で言えば可愛かった。 「まずは自己紹介だね。私はレナ。レナ・アルシュタートだよ。 で、知ってるだろうけどこっちはレイン・ルーガー。よろしくね」 「よろしく」 2人はそう言って笑顔で自分に手を差し出す。 ――レナ……?何か懐かしい感じがする……。 そんなことを思いながら、差し出された手を遠慮がちに握り、 「よろしく……」 軽く頭を下げた。 「それで? キミの名前は?」 レインのその言葉を聞いて、今まで自分が考えていたことを訊ねてみた。 「あの……僕は誰なんですか……?」  
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