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「俺様……ねぇ」
「うん。俺様」
僕達は同時にクロスに視線を向け、頷く。
――うん。確かに……。
「クロスは変に対抗意識を燃やすからね。気を付けた方が……って言ってももう遅いか。ご愁傷様」
よくわからないレインの言葉に疑問符を浮かべる僕。
「どういう――」
こと?と訊ねようとした時、
「俺様の話を聞いてないとはいい度胸だな。なぁ、転入生君?」
痛いほどガシッと掴まれた右肩。
再び視線を戻すと、額に青筋を浮かべたクロスが身を乗り出して僕の肩を掴んでいた。
「クラッド君が早くもクロスに喧嘩を売ったぞ!」
「クロス様……怒った顔も素敵です……!」
「頑張れ、クラッド君!」
僕らの状況を見た生徒が口頭で周りに伝え、さながら伝言ゲームの如くすぐさま教室中に広まっていく。
ってか、どう見ても喧嘩売ってるのは向こうでしょ!
「俺様よりも目立ちやがって……」
「いやいや、どちらかと言うとキミの方が目立ってるよね!?」
「当然だろ。何当たり前のこと言ってんだ?」
……少しムカッとした。
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