ローレンツ学園

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廊下の角を右に左に曲がり、全然わからない学園内を引っ張られるままに進む。 そうしていると、目的の場所に到着したみたいだ。 「ほら、着いたぜ」 身長よりも少し大きい鉄製の扉の前で腕を解放される。 「ここは?」 「コロシアムの入口だ。魔術の授業はここで行う」 クロスはそれだけ言うと、さっさと行くぞと言わんばかりに扉を開けて奥へ進んで行く。 慌てて追いかけると、扉の奥は真っ暗な通路が続いていた。 その先に見える明るい光が出口……いや、入口かな。 そう思ってる間にクロスはもう光の向こう側に消えてしまった。 転ばないように気を付けながら通路を駆け、僕も光の先へ出る。 そこで見た光景に思わず感嘆の声が漏れた。 広く、石畳でできた床。学園と繋がってはいるものの外にあるらしく、屋根のないドーム状の形をしている。 何故学園にこんな場所があるのかと思ったけど、元々は城があったと考えれば納得だ。 そして観客席には何故かクラスのみんながいた。 ここと観客席への道は違うようだけど、いつの間に来たのやら。 ――決着をつけるって発言で場所がここってことは……やっぱり闘うんだろうな……。 みんなが見てる以上、無様な姿は見せられないよ……。  
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