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「フフッ、驚いた?」
後ろから聞こえたリディア先生の声。
気付けば、いつの間にか先生も扉を通り抜けていた。
「えぇ、少し」
「ここは広いだけじゃなくてね、この石畳の下には特別な魔法陣が書いてあるの」
「特別?」
僕は首を傾げる。
「そうよ。効果は自動回復と自動防御。だからこのフィールド内では大きなケガはないし、すぐに回復するわ。
っと言っても、回復するまでにタイムラグがあるから痛みは感じる。気を付けなさい」
――回復と防御効果のある魔法陣か……。
このフィールド全体に書かれてるならかなりの大きさだな。
僕は先生にお礼を言い、すでにフィールドの真ん中で準備万端のクロスの下へ移動する。
「説明は終わったか?」
「うん。待っててくれてありがとう」
するとクロスは何故か頬を掻きながら顔を逸らし、
「別に礼を言われることなんてしてねぇだろ。
ほら、さっさと始めるぞ!」
そう言うや否や後ろに跳び、僕から距離をとる。
――照れ隠しだったのかな?
ホントはいい人なのかも……。
自然と僕の口元は緩んでいた。
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