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「勝敗の判定は私が出すわ」
リディア先生が僕達の中間に立ち、高々と右手を上げる。
「それでは……始めっ!」
手を振り下ろす。
開始と同時に先生は跳び退き、クロスは左手を前に突き出した。
「インフェルノ」
瞬間、彼の手に召喚されたのは黒い銃。
大きい銃身には十字架の装飾が施されていて、弾はリボルバー式みたいだ。
――アレがクロスの武器……。なら僕も……。
そこで気付く。
――……しまったぁぁぁぁぁっ!
どうして今まで気付かなかったんだろうか。
記憶のない僕に武器を出せるわけがないじゃないか。
冷や汗ダラダラで固まる僕。
しかし何を勘違いしたのか、クロスはピクッと眉をひそめる。
「お前……武器は出さねぇつもりか? 大した余裕じゃねぇか……」
「いやいやいや、これには深い事情があって!」
クロスは怒りからか震えながら僕に銃口を向け、
「地獄に落ちろ!」
躊躇うことなく引き金を引いた。
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