ローレンツ学園

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「ハァ……ハァ……」 ――何とか……凌いだ……。 無事にクロスの攻撃を防ぎ切った僕は未だに膝をついた状態で呼吸を整える。 「しぶといぞ……」 そんなクロスの声が耳に届いた。 僕ほどではないものの、クロスの表情にも疲れが見える。 当たり前か。詠唱したにしろ上級魔法を連続で放ったんだから。 「これでもまだ武器は出さねぇつもりか?」 クロスが問う。 ――出したくても出せないんだよ……。 と、心の中だけで呟き、ゆっくりと立ち上がった。 僕が無視したことで不機嫌そうな表情になったクロスは、その顔のまま、ふぅ~と息を吐き出す。 あくまでも相手の土俵で闘うらしい。 意外と頑固だなぁ。 「そろそろ終わりにするか」 「ハハッ……だね」 「お前が負ければすぐなんだけどな」 「その言葉、そっくりそのまま返すよ」 いや、それは僕もか。  
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