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次第に意識がはっきりしてくる中、僕は違和感と危機感を感じて素早く目を開けた。
何よりも先に視界に入ったのは1人の少女。
「むぅ。起きてしまったか」
ルミナだ。
「え~っと……何してるのかな?」
僕は問う。
それもそのはず。今の僕は保健室と思われる部屋のベッドに寝ている状態。
そしてルミナはそんな僕の上で寝そべっていたからだ。
――違和感の正体はこれか……。
するとルミナは近かった顔を更に近付け、僕の頬を撫でる。
「キミの寝顔が可愛かったものでつい……な」
「いやいや、ついでこんなことしないでよ。ってか早く降りて」
ルミナは唸りながら、渋々僕の上から身体を退かした。
と同時に、クロスとの闘いを思い出す。
「そっか。気絶したんだっけ……」
クロスの攻撃で気絶したのは、気絶する瞬間に理解していたので驚かない。
でも、
――やっぱり悔しいな……。
僕はルミナに見られないように布団の下で拳を握り締めた。
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