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「そういえば、どうしてルミナがここに?」
僕は握り締めていた力を緩め、頭に浮かんだ疑問を口に出す。
するとルミナは、何を言ってるんだ?と言わんばかりに首を傾げた。
「看病に決まっているが?」
「いや、授業は?」
「今は放課後だ」
唖然とする僕。
――ってことは……ほぼ1日中気を失ってたのか……。
転入初日からサボりなんて……。
頭を抱えながらため息をつくと、ルミナが今まさに僕が考えていたことを口にする。
「転入初日からサボりとは……悪い子だな、キミは。先生方も複雑な顔をしていたぞ」
そりゃそうでしょと思うが、言葉にはしない。
代わりに別の疑問を訊ねた。
「あの2人は?」
「レナとレインか? 2人ならキミの荷物を取りに行ったぞ。ついでに教科書も貰ってくるそうだ」
そうと呟き、黙り込む。
2人にはホントに世話になりっぱなしだ。
「それにしても……」
とルミナが話し出し、僕は彼女に視線を向ける。
「キミはなかなか強かったんだな。正直意外だったよ」
そういえば見られてたんだっけ。
僕が応えようとすると、慌ただしい足音の後、勢いよく扉が開かれた。
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