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「クラッドは起きたー?」
「レナ、そんな大声出すと寝てても起きちゃうよ」
勢いよく扉を開けたのはレナ。その後ろから落ち着いているレインが入ってくる。
レナは僕の姿を目にすると、元気よく駆け寄ってきた。
「おぉ、ちゃんと起きてるね」
「レナは相変わらず騒がしいね」
そんなにうるさくないもん!と頬を膨らますレナを余所に、僕はもう1人部屋に入ってきたことに気付き、驚いた。
「ク、クロス!?」
「何だよ? そんなに俺様がいたらおかしいか?」
おかしいと言うより意外だ。
「お前に興味が湧いたんだよ」
僕が理由を訊ねる前に自分で答えたクロス。
彼はそのまま近くにある別のベッドに腰掛ける。
すると今まで黙っていたレインが口を開いた。
「あっ、クラッド。教科書貰ってきたよ」
そう言って持ち上げたのは僕の鞄。
何も入ってなかった時とは違って、今は重たそうに膨らんでいる。
お礼を言って受け取ると、やはり重かったので、床に置いた。
「そういえばさ、クラッドって結構強かったよね?」
突然話し出したレナの話題は、ついさっき聞いたようなこと。
「私もさっきまでその話をしていたんだ」
それに便乗するルミナ。
この話題は避けられないらしい。
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