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「へぇ。結構広いんだね。それにキレイに片付いてるし」
僕は辺りを見回して感嘆の声を漏らす。
玄関から真っ直ぐ進むと辿り着く、大きく拓けたリビング。
テレビやソファーなど、家具、家電も完備されていて、白で統一された壁には汚れ1つ見当たらない。
リビングに続く廊下の途中には左右2つずつ扉があった。
たぶん部屋が2つとトイレと洗面所だと思う。
そう。ここはあの後連れてこられたマンションの一室だ。
「でも、ホントにいいの? 僕がここに住んでも」
僕は念の為、ソファーに腰掛けているこの部屋の主に声を掛ける。
返事はすぐに返ってきた。
「構わないって言ってるだろ。最近ルームメイトが彼女と同棲を始めやがったから部屋が余ってるんだ。たぶん帰ってこないだろうし、空いてる部屋を勝手に使ってくれ」
それを聞いて、僕は玄関から見て右側の扉を開ける。
どうやらこの部屋がルームメイトの部屋らしく、ベッドや机、本棚にクローゼットなどが目に入った。
当然、私物は残ってない。
僕は机の上に荷物を置くと(と言っても教科書が入った鞄だけ)、すぐにクロスの所へ移動した。
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