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「部屋はどうだった?」
リビングに戻ってくるや否やそう訊ねてくるクロス。
これで不満を言うようなら余程の贅沢者だ。
「すごく良かったよ。ホントにありがとう」
――こっちを選んで正解だったな。
数十分前。ルミナが爆弾発言をした時、すぐに我に返ったクロスが提案してくれたのがここに住む話だった。
『こういうのは男同士の方が気が楽だよな?』
『そ、そうだね。お世話になるよ、クロス』
ルミナは最後まで納得がいかなかったみたいだけど、最後の最後でようやく諦めてくれた。
女の子と一緒に暮らすのはマズいと思って、咄嗟にクロスの案に乗ったけど、あの時の判断は間違ってなかったみたいだ。
「明日は買い出しだな。とりあえず今日は俺様の服を貸してやるよ」
――家でも俺様なんだ……。
そんなことを思いつつ、お礼を言う。
僕の荷物は今着ている制服と教科書だけだから正直かなり助かる。
こういう時に異性……ルミナだと困るからね。
いや、ルミナなら無理矢理……。
止めよう。想像したくない。
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