43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
「ベルリオーズの東……まぁ、ギルドの裏側ね。そこにある洞窟が魔石の採掘場所なの。
そして少し進んだ所。そこでは不思議なことに勝手に武器が召喚されるらしいわ」
わずかに言葉を止めるリディア先生を見ながら、僕はその続きを想像する。
「つまり、そこに行って武器を召喚し、名前を付け直してくればいいんですね?」
「そういうことよ。話によればそこまで奥ではないらしいから危険はないと思うわ。でも万が一の為にコレを渡しておくわね」
そう言った先生に渡されたのは、複雑な魔法陣が描かれた布。
僕はそれを目にした途端に理解する。
――コレは……強制転移の魔法陣……!
「それは強制転移の魔法陣。魔力は込めておいたから、少し魔力を込めれば発動するはずよ。発動すれば洞窟の外まで転移できるわ」
「わかりました」
僕はお礼を言って布をポケットにしまうと、話を聞いてから思っていたことを訊ねてみた。
「でも、もう一度創れば済むことじゃないんですか?」
たぶん誰もが思うはずだ。
でも先生は敢えて復元する方を選んだ。
その理由がわからない。
最初のコメントを投稿しよう!