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しかし先生は首を横に振る。
「武器を複数創るのはあまり良いことではないわ。1つの武器を使いこなすのにはたくさんの努力と経験が必要よ。そこにもう1つ加わるとなると、それこそ才能でもない限り大変でしょうね。
それに、たぶんあなたはもう……」
不意に言葉を止めた先生は、何でもないと言って続きを話してはくれなかった。
続きがすごく気になるけど、話さなかったということは言えないことだったと思い、仕方なく話を逸らす。
「それじゃあ僕は戻りますね。授業の用意をしないと」
踵を返して教室に戻ろうとした時、僕は右肩をがっちりと掴まれた。
「どこへ行くのかしら?」
「どこ……って、教室に」
「あなたが行くのはあっちでしょ?」
リディア先生は東の方を指差す。
「えぇっ!? 今からですか!?」
「当然。授業が終わってからじゃ薄暗いでしょ。他の先生達には伝えてあるから大丈夫よ」
――僕……まだ1回も授業受けてないんだけど……。
「ひ、独りで?」
「そうねぇ……。独りは心細いでしょうし、レイン君でも連れて行きなさい。じゃあ頑張って」
僕の返事も聞かず、先生は笑顔で手を振りながら行ってしまった。
……決定事項ですか。
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