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◆ ◆ ◆ ◆
場所は変わって洞窟前。
ここを知っていたフィアさんの転移魔法により、一瞬で運んでもらった。
「いい? 絶対に無茶はしないで。危険だと判断したらすぐに引き返すのよ?」
心配そうに念を押すフィアさんに、私達は頷く。
「私も付いて行ければいいんだけど、ちょっとベルリオーズに行かないといけないし……」
「大丈夫ですよ。そんなに信用ないですか? 俺達」
ジークの言葉に、オロオロしていたフィアさんの様子が変わる。
「そうね。ごめんなさい。じゃあ気を付けて」
それだけ言い残し、踵を返したフィアさんはベルリオーズの方へ歩いていく。
結局一度も振り返ることなく、フィアさんの姿は見えなくなった。
同時に、改めて後ろの洞窟と対面する。
入口付近は日の光で見えるけれど、奥の方は真っ暗で何も見えない。
まぁ当然だよね。
「行くぞ」
洞窟に入ってすぐ、私とシンとティナは手の平に魔力を込める。
すると、私の手の平には眩い輝きを放つ小さな丸い球体。
シンとティナの手の平にはオレンジ色の炎が灯った。
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