任務

4/17
前へ
/395ページ
次へ
 ◆ ◆ ◆ ◆ 場所は変わって洞窟前。 ここを知っていたフィアさんの転移魔法により、一瞬で運んでもらった。 「いい? 絶対に無茶はしないで。危険だと判断したらすぐに引き返すのよ?」 心配そうに念を押すフィアさんに、私達は頷く。 「私も付いて行ければいいんだけど、ちょっとベルリオーズに行かないといけないし……」 「大丈夫ですよ。そんなに信用ないですか? 俺達」 ジークの言葉に、オロオロしていたフィアさんの様子が変わる。 「そうね。ごめんなさい。じゃあ気を付けて」 それだけ言い残し、踵を返したフィアさんはベルリオーズの方へ歩いていく。 結局一度も振り返ることなく、フィアさんの姿は見えなくなった。 同時に、改めて後ろの洞窟と対面する。 入口付近は日の光で見えるけれど、奥の方は真っ暗で何も見えない。 まぁ当然だよね。 「行くぞ」 洞窟に入ってすぐ、私とシンとティナは手の平に魔力を込める。 すると、私の手の平には眩い輝きを放つ小さな丸い球体。 シンとティナの手の平にはオレンジ色の炎が灯った。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加