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そこから更に数分。
真っ直ぐ道なりに進んでいると、突然拓けた場所に出た。
左右二手に道があるから、分岐点といったとこかな。
――困ったなぁ……。
私は顎に手を添えながら考える。
「どっちに行く~?」
そう。問題はそれだ。
私は……と言うより、みんなは自然とリオンに視線を向けた。
それを受けたリオンはため息をつき、目の前の分かれた道を見る。
「敵の情報が全くない以上、迂闊に戦力を分けるのは危険だ。全員で同じ道に進むのが得策だが……」
そう言って中央まで移動したリオンは、何故か自身の手に長剣を召喚した。
「っ!?」
でもおかしい。自分でもびっくりしたような表情をしてる。
「どうした? 敵の気配はないぞ?」
シンの問いに、リオンは、いや……と返して辺りに視線を走らせる。
それもすぐに終わり、今度はシンを呼ぶ。
怪訝な顔でリオンの近くに歩み寄ったシンも、リオンと同じように籠手を召喚した。
「なっ!?」
これまたリオンと同じ反応。
――もしかして……。
1つの仮定が頭に浮かんだ私は、唖然とするシンの近くに駆け寄った。
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