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ふと、窓の外の景色が目に入る。
その景色を見て、思わず身を乗り出した。
「ここって森の中にあったんだ……」
窓から見える景色は辺り一面緑色。
この家の正面に真っ直ぐ続く道があり、その先には高くそびえ立つ外壁が見える。
たぶんあそこがレナ達の通ってる学園がある都市なんだろうな。
しばらく外の景色を眺めていると、慌てて階段を駆け上がってくる音が聞こえてきた。
「お待たせ」
上ってきたのは案の定制服に着替えたレイン。
紺色のブレザーに身を包み、その下に白いシャツを着て赤いネクタイをしている。
「早かったね」
「そりゃ男だし」
そう言って笑いながら近付いてきたレインは、窓の外……外壁の方を指差す。
「あれが僕達の学園がある都市……ベルリオーズっていうんだ。有名なのは――」
「王都シルメシアに次ぐ程の大きさと、魔武器を創るのに必要な魔石の原産地……だっけ?」
「そう、近くの洞窟で採れるんだ。よく知ってたね」
レインは驚いた表情で僕を見るが、一番驚いてるのは僕自身だ。
「一般的な知識は覚えてるんだ……。忘れてるのはホントに自分のことだけなんだね」
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