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「エレナ、追いかけるのは後にしよう。今はコイツらを倒さないと」
「うん。速攻で終わらせる!」
「ジーク、1人で大丈夫だな?」
「任せてくれ」
男性陣は1人で1体、私とセリス、エミリアとティナで残りの2体を相手にすることになった。
私は一番近くにいた敵に矢を放ち、みんなに注意がいかないように、こっちに意識を向けさせる。
とは言っても、あの殻のせいで攻撃は通らないし……。
――どこかあるはず。私達の攻撃が効く所が。
敵の動きに合わせて2つの赤い光が動く。
私はハッと気付いた。
――目だ! 目を狙えば効くかもしれない。
「セリス!」
「うん。たぶん同じこと考えてた」
セリスの動きは早かった。
槍を地面に突き刺すと、敵の足元に冷気が現れ、瞬く間に脚を凍らせて動きを封じる。
その様子を感心しながら見ていた私は、光属性から聖属性に魔力を派生し、矢の質を変化させた。
それを2本。光の矢とは比べものにならないほど明るく、白くなった聖の矢を構える。
――これで……やってみせる。
そんな想いと共に、私は矢を放った。
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