任務

12/17
前へ
/395ページ
次へ
修行の辛さを語り始めたセリスを余所に、私は周りを見回す。 見回したんだけど、みんなも既に戦いを終えていた。 シンが相手をした魔物は、頭部の殻を砕かれ、緑色の血を滴らせながらピクリとも動かない。 どこからどう見てもごり押しだとわかる。 シンらしいって言えばシンらしいんだけどね。 ジークの相手は、地面から隆起した土の棘に串刺しにされていた。 下から突き出た棘が、内側から殻を突き破って真っ直ぐ上に伸びている。 どうやら下からの攻撃も効くみたい。 エミリアとティナが戦った魔物は……相手が悪かったね。 まるで殻なんて存在しないかのように身体中を斬り刻まれていた。 まぁ、当然かな。 重力を加算した重い一撃を放てるエミリアのソウルアックスと、高熱の炎を刃の形に凝縮したティナのフラムルージュ。 この2人の武器なら、あの程度の甲殻なんて、叩き斬るか焼き斬ることは造作も無いだろうし。 そして、リオン。 リオンの相手をした魔物は、特に変化は見られない。 それでも動く気配がないどころか、生きてる気配が感じられない。 たぶん、精神にダメージを与えるような魔法を使ったんだろうね。 闇属性ならそんな魔法があるだろうし。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加