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「ほら、セリス。みんなも終わってるよ」
未だに喋り続けるセリスに声を掛けると、ようやく話すのを止めて辺りを見回す。
「ホントだ。でもこのメンバーなら当然でしょ」
そう言い放ち、セリスはリオンの所へ駆け寄った。
私は小さくため息をつくと、逃げていった魔物の通った道をじっと見つめる。
――まだ間に合うかな……?
「無理だろうな」
「っ!」
突然の声にびっくりして振り返る。
私の後ろには、いつの間にかシンとティナが立っていた。
あれ? 私、声に出してた?
「エレナはわかりやすいのよ。それに、私達も同じことを考えてたから」
2人は視線をその道に向け、私も再びそこを見る。
「まぁ、逃げたのは1体だけだからな。もし襲われても逃げ切れない速さじゃないし、誰かが倒してくれるのを祈るしかないだろ」
かなり無責任な言葉だけど、実際シンの言う通りだ。
一応、戻ったらフィアさんに捜索の手配をしてもらおう。
私達は一ヵ所に集まり、今後のことで話し合う。
「これからどうする? 進むか?」
「ここまで来たら進むしかないだろ」
「でも無理はするなと言われてるよ~?」
ジークの問いに答えるシンとエミリア。
2人の意見は真逆だ。
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