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なかなか話が纏まらない。
そんな時、
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ……。
『っ!』
――あの音!
私達は会話を止め、武器を構えて分かれ道に意識を向ける。
「また来るのかよ!」
音が段々とはっきりしてくる中で、私達はさっきの音との違いに気付いた。
ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシ……。
「ねぇ……なんか、多くない……?」
引き攣った表情でセリスが呟く。
その通りだった。
青白い光の中に現れる赤い光。それは2つにとどまらず、どんどん数を増やしていく。
2つ、4つ、8つ……と倍々に。
「おいおい、冗談じゃねぇぞ……何だよこの数」
あまり広くない洞窟内は、あっという間に数十もの赤い光で埋め尽くされた。
いくら何でも、さすがにこれは……。
「チッ……分が悪すぎる!」
さすがのリオンも、あまりの数の多さに焦りが見える。
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