第一章

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「梗(キョウ)、珈琲豆がきれそうだからちょっと行って買ってきてくれないか?」 そう言ったのは、6人のリーダー的存在である草薙羚(クサナギ レイ)だった 彼らは、真名である天使名を使わずに別の名前を名乗っていた それには2つの理由があり、天使名のままだとこの国の文化にそぐわないことと もう1つ 真名を使わないことで力を抑え、自分達の存在を隠すためだった。 「姉さん、買い物なら私が行くわ。 梗には料理を作ってもらわないと…」 今度は羚と同じ顔の流華(ルカ)がそう言ってきた 見た目で分かるように、羚と流華は二卵性の双子の姉妹であり、2人は神とその母である女神との間に生まれた禁忌の存在だった。 そして キッチンで料理を作っている風代梗と、ウエイターの貴船祥(ショウ)、神楽舞(マイ)、高原軫(シン)の4人の天界での役目は 禁忌の存在である2人の護衛と言う名の見張りだったのだ。 しかし、2人の存在に惹かれ いつしか、苛酷な運命を共にする程の親友となっていた
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