春のきみ

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私は横になったまま、動けなかった。 何度も出てくる『約束』が私を追い詰めているかの様に重くのし掛かる。 好きだった。 その感情が、事実であるが故に私の心を蝕み焦らせている。 正直、考える事すら面倒になるくらいにその子に会いたかった。 会って思いを伝えたい。 …なのに、顔さえ浮かんで来ない。 本当に好きなのかと自分に問いかけたくなる程、私の思考はぐだぐだだった。 記憶は常に曖昧で、混乱するだけ無駄だと無様な私を押さえ付けている。
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