春のきみ

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思い出そうとする度に、吐き気と震えが止まらなくなる。無理矢理、押さえ込んだ何かが邪魔をしていた。 例え、記憶が戻っても苛立ちや焦りからは解放されそうにない。 家庭の事や、事故の事などは出来れば一生思い出したくない事柄なのだ。 これ以上、他人に関わるのはごめんだ。 新しい生活に他人は必要ない。 そこまで考えて、このカウンセリングを受けた。 事故に遭った時に、罵声を浴びせて来た父親からカウンセリングを受けろと言われた。 家にいるだけでも、腫れ物に触れるかの様に扱われて息が詰まるというのに…。 だから、一人暮らしを条件に出した。
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