忍び寄る影

12/16
前へ
/335ページ
次へ
「あはは…。じ、じゃああたし先に学校行くねっ!ごゆっくり!」 その眼差しに耐え切れなくなって、逃げるように公園を後にした。 ……つもりだった。 「待て」 「…っ!」 あたしの左手はしっかりと相良くんに掴まれていた。 「先に行く、って。同じ学校だろ?俺も行く」 あああもう! 相良くんと一緒に学校に行くとか殺されるよ! 「…嫌なのか?」 「嫌っていうか、何て言うか…」 何て言うか、ファンクラブの皆さんに社会的に抹殺される。 「嫌じゃねーなら、行くぞ」 フッ、と。 イケメンスマイルを見せながら、相良くんは学校に向かって歩き始めた。 .
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1689人が本棚に入れています
本棚に追加