対峙

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少し開いた窓から入る風が、あたしの頬をくすぐる。 今日はきっと。図書室はすごく気持ちいいんだろうな、なんて意識を飛ばす。 「―なっ!じゃあ、どうなっても知らないからね!」 「アンタが悪いのよ!斎藤!この女、好きにしていいから!」 女の子はチラリと男の子たちを見ると、一目散に生物室から出て行った。 教室に静寂が訪れる。 「あーあ。馬鹿な女」 「本当にどうなっても知らないよー?」 「俺から俺から~♪」 誰が斎藤かは分からないけど、男の子たちはじりじりとあたしに近付く。 .
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