対峙

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ヒュッ 「二度と千紗に近付くな」 男の子の頬スレスレに相良くんの拳が風を切る。 そのままその拳は男の子が背にしていた本棚にぶつかった。 「な、なんだよ…ホントにこの女と関係あんのかよ」 「早く出てけ」 「―っ!言われなくてももうそんな女に用ねーよっ!」 うろたえるように言葉を発していた男の子も。そう捨て台詞を吐いて素早く相良くんから離れると、ドアに向かって走り去って行った。 …た、助かったぁ。 「千紗!大丈夫か?」 安心して力が抜けたあたしは、へなへなとその場にへたりこんでしまった。 .
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