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「たまたまじゃないわ。私が呼んだのよ」
凛とした声で、守山さんがそう言い放った。
守山さんが…呼んだ…?
よく分からないあたしは、相良くんと守山さんをキョロキョロと見比べる。
二人は知り合いなのかな。
「私たち、従兄弟なの」
守山さんはあたしたちに近付きながらそう告げた。
イトコ…?
「ほとんど知られてないけどな」
「私が隠してるもの。ヒロ絡みの女に知られたくないし。鈴木さん、もう立てる?」
スッと差し延べられた白く細い手の平。
あたしは釣られるようにその手に自分の右手を重ねた。
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