つながり

19/20
前へ
/335ページ
次へ
「バカじゃねーの」 「ちょっ、やめてよ」 よっしーはあたしに近づくと、わしゃわしゃと頭を撫ではじめた。 「千紗男」 「!」 「………そんなの、小学生の時のあだ名じゃん? あの時は千紗が道場で1番大きかったし、空手も強かったけど」 よっしーは頭を撫でるのを止めて。頭に、ぱふっと手を置いた。 「今、千紗は"泣き虫よっしー"よりも小さいんだぜ? つまんねー事気にしてんじゃねーよ」 「…よっしー…」 なんだかよっしーが、すごく大人に見えた。 いつも組み手をする度にビービー泣いて。特にあたしとする時なんて、組み手をする前から嫌だって泣いてたっけ。 背だって小さかったし、空手も弱かった。 でも…今、目の前にいるのは。あたしより身長も高くて、逞しい男の子なんだ。 .
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1689人が本棚に入れています
本棚に追加