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…居た。
以前より少し彩りの落ちた花畑の近くのベンチに。
柔らかな栗色の髪を風に靡かせながら座る、相良くんが。
「おはよう!」
「!……千紗か。おはよう」
声をかけると驚いた顔をしながらも、挨拶を返してくれた。
「…もうすぐ、散っちゃうのかなぁ」
「…そうだな」
視線はコスモスに向けたまま会話を続ける。
「千紗」
ふいに名前を呼ばれたかと思うと、次の瞬間には。
相良くんに抱き寄せられていた。
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