彼女

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「鈴木さんっ! ちょっと話があるんだけど!!」 昼ご飯を食べる前、手を洗おうと水道を捻った時。 「福田さん…」 体育祭委員で一緒だった、6組の福田さんが、そこに居た。 「…一緒に来てくれる?」 「……」 福田さんの申し出に何も言わずに頷いた。 震える手の平に力を込めて握り拳をつくる。 ――直接対決―― 脳裏にそんな言葉が過ぎる。 あたしが見た、女の子。 下駄箱でキョロキョロと辺りを見渡していた、女の子。 ―メモの、子。 福田さん…だった。 .
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