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「怪しい人ぉ？ うーん…あたし自身テンパってたからわかんなぁい」
「そっか…」
「千紗も大変だねーあんな人気者に好かれてっ！」
「え？ 誰に？」
「………ま、いいけどぉ」
あの日下駄箱で怪しい人を見なかったか聞くと。
よく分からない事を言って、福田さんは、つきものが落ちたようなスッキリした顔でケラケラ笑う。
…化粧が落ちて、誰だか分からないけど。
「あーあっ」
ぐいーっと体を伸ばしながら福田さんは続ける。
「谷口くんは諦めて、またイイ人見つけよーっと」
さっき――よっしーの元カノの話をしたら、すでに目を腫らしていた福田さんはまた泣き出してしまった。
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