友達

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混乱する頭を整理しようと、個室の壁にもたれ掛かる。 ――それが、いけなかった。 カタッ 「「!」」 物音をたててしまい、外の張り詰めた空気がさらに緊張感を増したのが分かった。 「……誰か、いるよ」 「さっきの…聞かれた…?」 「や、でも! 関係無い人じゃん?」 そんな囁きが聞こえてくる。 「……鈴木サン、だったりして……」 「や、止めてよ!そんなワケないじゃん!!」 「そんな偶然、あるワケないってば」 「そうだよね!」 一人の女の子の囁きに、動揺を隠せない様子の他の子たち。 固唾を呑んで、ここから誰が出てくるのか見守っているのが感じ取れた。  
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