図書室

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てか… 絶対、聞こえてるよね? 「守山さん!」 先生がまだ来てないのをいい事に、あたしは思い切って守山さんに声をかけた。 微かに守山さんが顔を上げる。 「さっきは…汐莉ちゃんがごめんね!悪気は無かったと思うんだけど」 「…………」 声を潜めながら、守山さんに近寄る形でそう謝った。 守山さんはあたしの目をじーっと見つめたまま口を開かない。 わわわ…美人さんにこんなに見つめられると顔に穴があいちゃうよっ。 そんな事を考えていると、守山さんはフッと笑みを零した。 「アレで…悪気がない…? あなたってお人よしなのね」 そう言って視線を本に戻した守山さんを、あたしはぼんやりと眺めていた。 .
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