守山 晴美

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あたしの"女の子"に対する憧れは、思ったより強くて。 笑い飛ばして何とか乗り越えたあの失恋の思い出たちが、また暗く冷たい服を纏って溢れ出してしまいそうになる。 「どうしたの?」 あたしを心配する汐莉ちゃんに 「ううん!何でもないよ!あたしたちも教室行こー」 いつも通り明るく声をかける。 ダメダメ。 笑わなきゃ。 あたしは…大丈夫。 『ちーならやれる』 小さい頃からのおまじないを頭に叩き込みながら、汐莉ちゃんと他愛もない話をして教室に行った。 大丈夫。大丈夫… .
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