体育祭

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そんな時。 視線を落として見つめていた床に、見たくないものの姿が見えた。 ………… 「わっ!ち、千紗さん!?」 佐藤くんが驚くのも無理はない。 あたしは、佐藤くんに抱き着いているのだから。 「急にどうしたんですか!?」 「………」 慌てる佐藤くん。 あたしは、佐藤くんの胸に顔を埋めたまま、震える手で床を指差した。 「……蜘蛛……?」 その言葉に、ぶんっと勢いよく頭を縦に降る。 床には。小さい小さい悪魔がピョコピョコと元気よく動き回っていた。 .
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