体育祭

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「さ、相良…」 そう。 あたしに向かって振り上げられたよっしーの拳を掴んでいたのは、相良くんだった。 「女に向かって拳振り上げんなよ。もう委員の集合時間だろ。んな事やってる場合かよ」 驚くよっしーを他所に、めんどくさそうに相良くんは言う。 勿論、よっしーとしても。本気じゃなくて、いつもみたいにふざけただけなんだろうけど… 相良くんの勢いに圧されて、よっしーは「悪い」と謝りながら拳を下ろした。 「ほら、行くぞ。千紗」 「あ、うん。よっしーも早く!」 「……ああ」 3人で、急いで集合場所へと向かう。 「…千紗って…呼び捨て…?」 小さな小さな呟き。 周りの男の子たちには聞こえていない。 ただ、空に吸い込まれた。 .
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