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相良くん、すごく困ってる。
顔をしかめる彼からは、嫌悪の感情しか読み取れない。
――助けなきゃ。
「ちょっとアンタたちっ!!いい加減にしなさいよぉっ!」
「!」
あたし…じゃない。
丁度同じようなことを言おうと、大きく息を吸い込んだ所で。別の、怒声が響く。
行き場のなくなった大量の息を静かに吐きながら周りを見ると、他の女の子たちも驚いたみたいで静まり返っていた。
福田、さん。
相良くんと同じ。6組の体育祭委員である、福田さんが周りの女の子たちを睨みつけながら仁王立ちしていた。
「相良くんは委員の仕事があるのっ!ギャーギャー騒いでばっかりいないで、ちょっとは考えなさいよっ!!」
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