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彼と出会ったのはもう6年か7年前になる。
兄のバンドのメンバーで
ただ
それだけ。
『初めまして!』
彼はにこやかに笑ってくれたけど、あたしは少し怖かった。
彼に出会ったとこはアンティークな雰囲気の喫茶店。
琥珀色の髪が派手で、爪も黒のマニュキアで塗られてて。
身長も高いし眉毛が異常に細い。
ピアスもごちゃごちゃつけられてて、あたしとは無縁の部類の人間。
それでもニッコリと笑ったその笑顔が柔らかくて。
ひょこっとあらわれる八重歯が愛おしかった。
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