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『俺、将汰(しょうた)。よろしくね』
彼はそう言って再度笑う。
ひょこりと八重歯がまた見えて
あたしは思わず笑んでしまう。
琥珀色の髪の毛は毛染めに痛んでいたけれど肩までストレートにのばされて。
口についたピアスがなければ女の子みたいなパッチリした二重の目。
細い華奢な感じの体。
その日、兄にうながされて聞いた彼らのバンドの曲。
女の子のような彼がギターを弾く姿はとても綺麗で。
楽しそうなその笑顔をぼんやり眺めていた。
あのころは
こんなふうになるなんて思ってもいなかったね…
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