愛惜

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広いパーティー会場に入ると、会場内にいた人々の視線は一気にこちらに向いた。そのせいか、先程から抱える不安がより一層増すが、平静を装い毅然とした態度で経悟の一歩後ろを歩く。 秋山も一緒に接待すると言った紫炎の旨が分からないが、今は与えられた仕事をこなす事に集中するしかない。 早速グラスを2つ用意し、秋山と村岡に渡す。 そして経悟と自分の分も用意し、1つを経悟に渡す。 紫炎は壇上に立ち挨拶をしている。どうやら社長は遅れて来るそうで、社長代理として場を仕切っている。 挨拶も終わり、音頭を取って手元のグラスに口をつけた。それからパーティーは始まり、二人の食事を運んだり接待に専念する。 紫炎も挨拶が終わり秋山と村岡の元に戻り、話しをしている。 経悟と芽咲は遠過ぎず、近過ぎない距離を保ちつつ、3人の様子が見える場所で待機する。 グラスの減りや食事を気にし、いつでも飛んで行けるようにしている為、食事は取れない。 常に気を配らないといけないので、視線の先には3人の姿が捉えてある。 楽しく和やかに3人が話している様子を見ると、今のところは順調そうで安心する。 .
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