愛惜

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「樹さん、急遽接待に回って頂いてすみませんでした。 こちらも急な事だったので人手が足りておらず、また秋山様に関する情報を全く把握していなかったので大変助かりました。」 こちらを向いて申し訳なさそうに謝る経悟に、慌てて言葉を返す。 「いえ!私は大丈夫ですっ! 大した事も出来ませんし、お役にたてるか分かりませんが……。」 「それと、この間は薬有り難うございました。」 ニッコリ笑ってお礼を言う経悟の言葉に、何の事だか分からないと、首をかしげた。 「深海専務にです。先日の会議があった日に、わざわざ薬を用意して頂いて…!」 「あぁっ! いえっ!!そんなお礼なんて!顔色が優れないように見えたので、勝手ながら用意させて頂いたまでです。」 「勝手だなんて、大変喜んでいましたよ。深海専務。実際、体調が優れなかったので。」 「そうだったんですか…。お役にたてたなら良かったです。」 内心あまりこの事には触れたくなく、二人の事に探りを入れられないか怯えていた。 (どうしよっ!! 怪しまれてないよねっ!?やっぱりまずかったかな!!?) .
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