愛惜

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「しかし、よく専務の体調が悪いと気付かれましたね?あの方はあまりそういった姿を周りに見せたがらないから、私にですら平静を装って接する為、分からない時があるんです。 樹さんは観察力があるのか、勘が鋭いんですね?」 眩しいくらいの純粋で悪意のない笑みを向けられ、心の中では心臓バックバクのパニック寸前状態だった。しかし表情は困った笑いを経悟に向けた。 (この人怖いっ!!! 矢代さんの方が勘が鋭いわっ!! まさか気付いてないよね!?気付いててわざと言ってるのっ?!) それからはこの話しは終わり、秋山の情報交換や、接待に専念した。 経悟の様子を見ると、特に二人の関係に気付いている風でもないので、怯えつつも変わらぬ態度で接する。 .
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