愛惜

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サンドイッチを2つ食べ、小腹は満たされた。 紫炎を見ると少し疲れているようで、深くソファーに腰掛け、もたれかかっている。 「紫炎、大丈夫??」 「あぁ、大丈夫!」 平気そうに応えるが、無理をしていると思い余計心配になる。 「他に何か手伝える事ある?私に出来る事あったら何でも言って欲しい…。」 悲しそうな顔をして言う芽咲を見て、紫炎は優しく笑う。 (微妙な変化にもすぐ気付いてしまうから、芽咲に嘘はつけないな……) 芽咲のその優しさに嬉しくて心が温かくなる。 紫炎にとっては芽咲がそばにいてくれる、それだけで充分だった。 なのに彼女はそれ以上の事をしてくれようとする。 (困ったな……。素直に甘えとこうか…?) 困った顔をして笑い、心配そうにこちらを伺う芽咲に目を細めた。 「じゃあ、一つお願いしてもいいかな?」 「はいっ!私に出来る事なら!」 芽咲は嬉しそうに応えた。まるで飼い主の帰りを待っていた犬のようで、パアッと表情が明るくなった。 (可愛い………///。 これ言ったらどんな反応するんだ…?) そう思い、少し間を置いて話した。 .
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