愛惜

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「肩凝りが酷くて……。 マッサージして欲しいんだ…。」 「……分かりました!上着脱いでもらってもいい?」 一瞬キョトンとした顔を見せたが、優しく笑いソファーから立ち上がり、紫炎の後ろに回る。 背広を脱ぎソファーから少し背を離す。 芽咲が紫炎の肩にそっと触れ、指に力を入れツボを押す。 「気持ち良い所あったら言ってね?」 「あぁ、ありがとう………!」 安心したような声色で応える紫炎を見て、リラックスしているんだと嬉しくなる。今だけでいいから張り詰めた糸を解いて休んで欲しいと思う。 (しかし、何か変に意識しちゃうな…///) ワイシャツ一枚で肩に触れているが、紫炎の温もりは手に伝わる。 広い肩幅に、男らしい大きな背中。 嫌でも意識してしまう。 ゆっくり力を入れマッサージをしていく。 部屋には穏やかな空気が流れ、二人を包んでいた。 .
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