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二人手を繋ぎ、虹が消えるまで空を眺めた。
「芽咲、芽咲はもう家族なんだよ。一人じゃない。
これからはいつだって、悲しい時も寂しい時も、楽しい時も僕がずっとそばにいるからね!約束だよ?」
「…うん!約束。」
「じゃあ、帰ろう!
お母さん心配してるよ!」
「うん!」
繋いだ手をキツく握り、二人は屋敷に戻った。
その後、屋敷に戻った二人は大袈裟なくらい心配され、屋敷中大騒ぎになって探されていた事を芽咲は知る。
その日の夜、紫炎は今日の出来事を両親に話した。
「芽咲、一人で隠れて泣いていたんだ……」
「そうだったの…。
ねぇ、紫炎。お願いがあるの。
あなたがあの子の支えになってあげて?
芽咲ちゃんはね、私達大人に対して、遠慮していて甘えられないの…。」
「紫炎、お前だから出来るんだ。父さん達は芽咲ちゃんも当然家族と思ってる。けれど彼女は、自分は邪魔な存在だと思ってる。
だから、お前があの子の一番の家族になって守ってあげて欲しい。」
「うん!」
「お父さんとお母さんを亡くして寂しいと思う。だからあなたが寂しくないように、いつだってそばにいてあげて?」
「分かった!」
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