幕開け

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芽咲は走って会議室に戻ると静かに紫炎にお水と薬を渡した。 「深海専務!これ、どうぞ。」 少し息を切らしながら話す。 「えっ………。あっ、あぁ、………ありがとう…。」 紫炎は驚き、慌ててPCから顔を上げ、芽咲の顔を見ると呆然とした。 驚きを隠せないでいた。 「それじゃぁ、失礼します。」 そう言って一礼すると、踵を返し部屋を出ようとした。 その瞬間、 「芽咲!!」 大きな声が聞こえ、振り向くと、席を立ち真っ直ぐな鋭い眼でこちらを見る、紫炎の姿があった。 驚き目を逸らせず、芽咲は動けないでいた。 「……よく、分かったな。」 「いつも体調悪い時に、こめかみに手を当てるでしょ?紫炎の癖。」 そう言って、少し困ったように笑った。 .
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