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あれから数日が経ち、相変わらず忙しく仕事をこなす昼下がりの事。
芽咲はパソコンと向き合い素早くデータを入力していた。
すると、ざわざわとオフィスがざわめき出した事に気付く。
何かと思い、ふと顔を上げるとそこにはこの場所には見慣れない男の姿が、こちらに向かって歩いて来る。
「矢代さんっ?!」
驚き、慌てて机から立ち上がると経悟は芽咲の前で立ち止まり、声を掛けた。
「こんにちは樹さん。
先日は有り難うございました。」
「いえ、こちらこそ!
あの、どうされたんですか…?」
「樹さんに先日の会合の事で用がありまして。
接待の報告書の事と、秋山様の事でちょっと。
少しお時間頂けますか?」
「はい、分かりました。」
一旦作業を止め、席を外し経悟の後を着いて行く。
長い廊下を歩き、エレベーターに乗り最上階を目指すと、そこには威圧感漂う大きく高級な扉が待っていた。
経悟は平然とその扉をノックして中に入って行く。
緊張し身構えつつ、経悟に続いて芽咲も扉の中に入った。
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